#自然分娩

ご妊娠された皆さんへ
これからの生活を想像して期待に胸を膨らませているかと思います。

 ところで、陣痛ってどんなものかご存知ですか?陣痛はただただ痛くて恐いものというイメージはありませんか?自然分娩や陣痛のイメージってなかなかわかないですよね。
 そもそも陣痛が痛くて嫌なものだったらなぜ長い進化の過程で抜け落ちなかったのでしょうか?さらに、産痛の苦痛を体験したにもかかわらず、再び次の出産に向かう意欲が生じるのはなぜなのでしょうか?ここで大切な役割を果たしているのが、β-エンドルフィンという体内モルヒネ様物質です。
 このβ-エンドルフィンは、分娩進行とともに放出され、出産という大きなストレスに備え痛みを緩和する働きがあります。さらにもう一つの重要な役目は、出産を終えた後の脳に多幸感と満足感を与えるということです。この作用のおかげで、あんなに大きな痛みを経験したにもかかわらず出産した後は今までにない笑顔で赤ちゃんを迎えることができ、いずれは次の子もまた欲しいと思えてくるのです。この2つの作用こそが、陣痛と他の痛み(手術やけがの痛み)とは全く別ものである所以です。
 しかも、ここでもう一つ重要なポイントがあります。出産をするうえで大事な役目を果たすβ-エンドルフィンは、実は自然分娩で最もたくさん出るんです。無痛分娩では、薬の使い方にもよりますが、出る量は半分以下になってしまいます。
 無痛分娩を否定しているのではなく、そもそも自然分娩って?陣痛って?そこにどんな意味があるのかをまずは皆さんに知って欲しいと思います。